奈良run(11km) 河野裕子「蟬声」読了

先週引っ越しはハードワークにて無事終わる。慣れない横浜の道に大いに迷いながら湾を跨いでは、けなげに走りまわる。宿泊した山下公園近くのホテルからは港が見えるも、海沿いを歩いている人は多くない。時節柄、高速道路の渋滞なし、宿泊コストがググっと安くなってお財布が助かりはしたもののホテルのガラガラいつまで続くかと複雑に思う。道を間違えて隣の奥さんに叱責浴びつつ焦りまくって乗ってしまったベイブリッジ、「ああ金をとられる・・」と悄然として広がる港を見ると大きな客船が見え、さすがに横浜と思った船は例の「ダイヤモンド・・」であったと知り驚く。

息子からは独の状況を聞き、千切れるばかりに心配尽きぬも実態不明な日本よりもしかしてマシ?とも思われるところあり。

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(富士山前のSA)

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(中華街)

横浜では満開だった桜がまだ京都、奈良でようやく開花。今週は京都滞在。昨日は雨、本日は朝雨があがる。午後15時奈良に向かってrun走り出す。木津川沿いは菜の花に桜で所々に人が出ている。木津市から登り始めて丘を越えると奈良県庁が見えてスターバックス前でゴール。
11.47km 1:40:18 獲得標高147m

Stravaのランニング記録です。

https://strava.app.link/8Y8a6nXlq5

おお、人が少ない、しかし日本人は普通程度には歩いている。煎餅にありつけぬ鹿もつまらなそう。氷室神社の桜は見事に咲いているが人が多くいるので避ける。店や人力車の観光案内も年末に比べれば明らかに熱気は無い。猿沢の池から奈良まち界隈を見て三条通ココイチにて早めの夕食。人の少なさを尋ねてみると「ホントにネエこの周辺のお店なんか閉めようと言われてる方多いみたいですよ」と普通ではない。ここは少しばかり貢献と二軒隣の店でイチゴ大福を購入し食べるも自分にとってはイチゴと大福は別に食べる方がいいこと気づく。

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奈良公園

河野裕子の歌集「蟬声」を読了。永田和宏の「夏・二〇一〇」と同時期の作品。図書館で借りた後に図書館がコロナでクローズされて借りたままになっていた。癌で亡くなられる前に詠まれた氏最後の歌集。有名な「手をのべて・・」などが収録されるが、永田氏の作品と対に読むことで人の想いや言いたいことと認識のすれ違いなどが作品を通して読める。言葉の使い手のプロ同士にあってさえ、言葉による理解、共感、誤解を含めて「伝える」ことの難しさを思う。病床が詠われたものが多く暗い心情でありながらもユーモアもあり心の動きが平明でわかりやすくどこか透明感のあり印象を持ちます。
 「これからが楽しい筈の人生の筈につかまりとにかく今日の一日」
 「「すみやかに」はよき日本語ゆゑにすみやかに死ぬとは言うてはならぬ」
 「もう一度のこの世は思はずきつぱりと書いてゆくのみ追伸不要」
 「もう一度行ける場所はもうあらず案外に狭いのだこの世といふ所」
 「若狭へと君は行きたり元気ならば共に行きしを花脊峠越えて」
 「あなたらの気持ちがこんなにわかるのに言い残すことの何ぞ少なき」

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