谷汲花立峠(56km)、司馬遼太郎「オランダ紀行」読了

なんとなく豪雨が多く梅雨は長い。ほぼ毎日どこかの時間は雨が降りコロナ対策のマスクで蒸し暑い。業務の多忙は依然として継続中。思えば今年上半期は4月くらいからの記憶が乏しい。仕事の多忙にコロナ巣篭もりのワンパターンという日々の記憶で脳が占められている。在宅勤務中に食べた枇杷の種を植木鉢に入れておいたところの1本、めでたく芽を出しスクスク伸びているのがさしあたり唯一の印象的事項。毎週帰って来て、さてさて、どこまで伸びるのか楽しみと水を与えれば、後方の奥さんから「いいけど・・・このまま大きくなったらどうするのか?チャント自分で考えといてよ」と現実的問題を指摘される。
「一粒の枇杷の実ジャックの豆のごと伸びて砕けよガラスの天井」

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世間は自粛解除とかで明らかに駅や電車の人数は増加してかなり危険な匂いがするところにこの長雨続き。先週は岐阜も大雨が降りその後で自転車で上がった金華山から見た長良川の河川敷にある道路が見えないところまで川幅が広がっている。飛騨、下呂方面では被害出ている。昔から洪水の多かった木曽三川のこの地域には輪中など水防の歴史も含めて一定レベル以上の経験や信頼があるように思えるのが少しばかりの安心材料か。昨今、南海の海水温度上昇で湿った空気が短時間で雨を降らせるようで、地球の温度を一定に保つための対流現象の活性化と思えば温暖化と豪雨は無理もないと思える。

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今週は例の五輪のための休みが残骸のように残っている4連休。十分には休めずとも祝日として少しは休息がとれることが救い。疲れが溜まったせいか首周辺が凝って痛みはあるが、昨日は雨も降らないので自転車で谷汲方面へ出掛ける。西に向かえば山間部で少しばかりミストの雨に降られるものの無事に花立峠を巡って帰ってくる。雨のせいで少し気温は抑えられ助かる。到着したマンションの玄関先の木に一匹のクマゼミが騒々しく鳴くのを見つける。ホー、とうとう出てきた、そろそろ梅雨明けか。
「梅雨晴れに髪を短くした君はシャクヤク一本花瓶にたてる」

谷汲、花立峠周回 56.08k 2:47:20 20.1k/h 獲得418m
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司馬遼太郎「オランダ紀行」を読了。読み始めから約半年、並列に別の本も読んだせいで時間が余分にかかり約半年。或いは、自身も時間をかけてオランダという国に対する興味を持って読みたかったことも理由の一つ。ネーザーランドとは低い土地の意味らしい。ベネルクス3国の一つの小国と言えるがなぜサッカー、自転車などなどとスポーツ大国たりえるか?ベルギー人、ドイツ人との皮肉の言い合いなど笑えるところもあり。「この国は有史以来、国土は与えられたものではなく土木の一鍬一鍬の現実作業によって形作られてきたことが、国家形成が抽象的な物語ではない合理的な現実の歴史となって現在にまで続けられている」らしい。国全体の合理性にもつながっているようで運河に風車、水路に面した家々の構造にも統一感とさっぱり洗練された美しさがあるようでうらやましく思う。反面、本格的な山はベルギードイツ国境付近に行ってもないらしいが、著者自身、何度も感嘆する風景の美しさに加え、レンブラントゴッホに代表される絵画芸術。スペイン独立戦争東インド会社イングランドとの戦争、チューリップバブルに至る覇権争いなど経済的世界史の面白さもふんだんにありコロナ状況下にあってなかなか有意義な時間を感じる。改めて自身は紀行文が好きだと思う。次は台湾紀行か。

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