高野山行 十三峠奈良(431m)

腕が回復つつあるのでお試しで久々に峠に出掛けたいと考えている。ただ、どこまで完全に回復するかは医師先生はハッキリ言ってくれておらず、年齢的なことも含め思いの外完治は難しいのかも知れず気分は重い。今年は不運にもコロナに頸椎ヘルニアが重なり早春でプッツンと峠ハントができていない。既に5年強になる祝園の単身生活もあとどれくらいか?と考えるとできるだけ関西の行ける峠を早めに消化しておきたいと思う。地図を見れば生駒山系では南側の峠群がまだ残っていて代表格は奈良大阪県境の十三峠、竹内峠で金剛山の峠はまでは自走アプローチが長過ぎることもあって簡単には出来ない。竹内峠は司馬遼太郎氏ゆかりの場所ゆえ是非ともクリアしたいところ。

今週は祝園滞在で十三峠を考えていたが間が悪いことに台風接近で悪天候。台風はややそれて影響は小さいとは言え午前中は雨予報で無念。しかし、早朝に起きて雲が流れているのを見て考える。「一度は行ってみたいと思っていた真言密教の聖地、高野山に行くか・・」と積極的考えが浮かぶ。速攻で支度をして7:30の電車で難波に向かう。南海電車に乗るのはこの方初めてで興味があり、高野線を堺、河内を抜けていく車窓を眺める。乗客はまばらで寂しいがそのぶんのんびりした雰囲気で千早赤阪、橋本を越えてからは山岳鉄道の様相となる。台風の残した湿った空気で山々はガスがかかってよく見えない。勾配のあるカーブを鉄路と擦れ合う音を立てながら電車は標高を上げていくと、これは結構な登山電車に思う。終点の極楽橋駅で降りる人はほんの数人。冷えないようにセーターにウインドブレーカーを着こんでケーブルカーそしてバスに乗る。とうとうバスは私一人となる寂しさも乗り継ぎは実にスムーズで奥の院まですんなり行く。猪突勢いだけで来たものの勝手がさっぱり分からぬので運転手さんにポイントを教えてもらう。奥の院前には観光バスが来ており少しばかり観光客を見る。空海聖人がおられる奥の院は締め切った境内に灯篭の灯りのみで暗いところが神秘的。いずれにしてもここが神聖にして最重要所と思われる。近くの茶休憩場所にて暖かい番茶を飲んで温まるが1000mの標高は正直寒く少し早い紅葉が始まっている。杉の大木の間を霧の風が勢いよく流れていく様は荒涼とという表現が適当か。その後は大門、壇上伽藍、金剛峯寺金堂とメイン所を巡る。昼を過ぎると少し明るくなってGoToと思しき旅行客も増えて来て通りは少しにぎやかになる。一番良かったのは壇上伽藍で想像以上に大きな建物に威圧され中の仏像や壁画など美しい。その横にあった六角経蔵という建物の、とってのついたコロを手で持ってぐるりと一周するのは面白かったが御利益があるのか思いのほか重い。14時、バスで帰路へ。うかつなことに南海難波駅高島屋大阪のターミナル駅であることをこの時初めて知った。高野線はスイスMOB鉄道(いわゆるゴールデンパスライン)と同じ山岳鉄道ということで姉妹鉄道提携をしているようですが・・何にせよだいぶ規模が違うように思う。

f:id:azutatsu:20201025215220j:plain

(休憩所)

f:id:azutatsu:20201025215305j:plain

奥の院参道)

f:id:azutatsu:20201025215330j:plain

(大門)

f:id:azutatsu:20201025215354j:plain

(壇上伽藍)

f:id:azutatsu:20201025215412j:plain

(六角経蔵と取っ手)

f:id:azutatsu:20201026131255j:plain

極楽橋駅

本日、雲が多いが予報は晴れなので十三峠を目指してスタート7:50。明日は勤務のこともあり早く帰って来て休息をとりたいところ。今日は雨上がりでロードバイクが多い。お馴染の木津川CR、ならクルで一人のロードの後を追って法隆寺まで。そこからから王子に出て信貴山への道路で激坂の登坂開始。信貴山と分岐してフラワーロードという整備された道を北進。この道の標高は相当高いため下界に王子と平群の市街が見え隠れしつつ生駒山山麓をアップダウン繰り返し平群に向かう。アップは10%程度はあるため予想以上に足を使うことになる。先を走っていたロードご一行は既に見えなくなり西風にも抗いながら苦しくペダルを回す。そろそろ十三峠と思い近くで作業をしている農家の人に聞くと親切にこの先1Kmを左折とのこと。見れば菊畑が斜面に広がってフラワーロードの意味はこの菊のことで収穫の真っ最中だった。道路案内のある十三峠、八尾方面の交差点を左折。本命の十三峠への坂道はフラワーロードのアップダウンに比べて楽な感じで約2km登ってゴール。それなりに登る人が多いと思うも頂上では輪をかけて大阪側から白髪シニアグループが次々登って来ては自慢話で輪が出来ている。これは明らかに眼下の大阪市街の以上に密になって危ない。大阪側の登りの方が激坂で有名だそうでいやはや初老人たちは元気です。体が冷えないようにさっさと下山。平群に下って王子から法隆寺経由でノンストップで帰る途中力尽き、薬師寺の見える公園でひっくり返って休憩、風は秋の香り。やはり左腕の違和感は消えず、全力を使った登坂などまだまだ望むべきもないと思いつつ残り11kmを流して無事帰着。コープでコーラを買い一服。何故かSTRAVAの帰路の記録が取れていないものの往路が最低限残っているのでまだまし。

「はるばると峠に立てりかずかずの疼みも身体の記憶となりて」


 73.47km 4:31:04 16.2k/h 獲得標高670m
https://strava.app.link/fjzhuOSYRab

f:id:azutatsu:20201025215452j:plain

(十三峠)

f:id:azutatsu:20201025215507j:plain

大阪市街)