深い河(遠藤周作)読了

今回はさすがに早々と読了。ページ数がほどほどだったこともありますが。
遠藤周作は20代に狐狸庵もののブームが去った後ですが軽いエッセーを何冊か読み始めました。『ほんとうの私を求めて』『春は馬車に乗って』『私にとって神とは』『夜のノクターン』・・等々。「ただでさえ部屋が狭いんだから積ん読本は整理して!断捨離!断捨離!」と言われる本棚には未だに何冊かあるので当時としてはマイブームの乗りで読んでいました。軽いエッセーなどを主に読んで肝心のカトリックの東洋的理解のような所は理解も興味もイマイチで読み飛ばしていた記憶があります。その後ユーモアではより性に合ったドクトルモンボウ北杜夫に移ってずーっと読み続けることになりましたが、今回ふと図書館の本棚にあった「深い河」、映画にもなったのでちょっと読んでみるかぁ、となる。
結論から言えば、年を経ても自分の持った印象は変わりませんね。そもそも良くわかってないカトリック世界、解釈がどうこう・・と考えるのは難しい。まして寺や神社、ハテまた西洋では教会にも詣でる私のような者にとってはあまり信仰というものを考えるのはたいくつにに思て良さ加減が良くわかりません。かつて思ったのと同じ感じで、じっくり読むに辛くなり、猫にコバン、カエルの顔にションベンの如き也。サブ主人公の命が危なくなる時に唐突な終わり方も、あれっ何か急に梯子をハズされたような不完全燃焼になりました。これが純文学の意図深き所かもしれませんが。
次は、趣も変えて椎名誠の「さらば国分寺書店のオババ」を借りてきました。思いっきり昭和。