浜名湖一周87.19km+宇利峠+本坂峠、司馬遼太郎氏「近江散歩」読了

帰国後数日で業務は並走する2本のうち1個目のプロジェクトはデザインレビューを経てTSMC向けに無事TO(tape-out)終える。2個目の先端プロセスに集中するものの、FFET構造のレイアウトが困難でやや遅れ気味で年末まで気が抜けない。時差ボケ、ジェットラグに比較的耐性があると思っていたが、今回ばかりは酷く2週間ほどは睡眠も悪くて心の疲れがとれず精神力も売り切れた状態で調子が上がらない。アクセク疲れた後の土日がアッと言う間に過ぎてしまうものの遅れがあって休みを取るわけにもいかず、なんとか風邪をひかないように数週間は葛根湯などを飲んで耐え忍ぶ。

体調が徐々に戻っていく10月27日、年一回の眼科の定期健診で奈良の西大寺にある眼科病院まで行く。術後の副作用の進行もあり半年後に再検査となる。西大寺駅の西側は新しいロータリに生まれ変わっていた。帰りは、近鉄の特急で大和八木経由で名古屋から帰る。車窓から遠く小さく青山高原の風車を懐かしく見る。榊原温泉にデポして自転車で風力発電青山高原に登ったのは約20年近く前、確か帰りにパンクして酷い目に会ったことも。あの頃は野心的に次々と峠をハントしていた。
10月28日に旧会社のOB会が4年ぶりに岐阜駅近くであった。コロナ感染の前以来でその時に比べ参加者が少なくなっていたようで少し寂しい気もしたが懐かしい方々に会う。10数年前までは半導体産業の従事者で既に50歳を超えた方々がほとんどだが、私どものようにまだ半導体業界にぶら下がっているのは珍しいケース。話した人から「今の半導体はどうなんですか?経済安全保障とかで求人がえらい増えてるんですか?これが10年早ければ良かったのに・・」と口々聞かれる。その通り、もう十数年早ければ状況もずいぶん違うし、行く道が変わった人がいるかも知れないと思いつつ、「製造装置は別として、あの頃も今も他国の相対速度から見てそんなに復活は甘くは無いと思うんやけどね・・」と濁す。
11月3日(金)3連休の初日、朝4時に起きて車に自転車を入れて浜名湖を目指す。ハマイチ、浜名湖一周はいつかはやってみたいと思っていた。浜名湖一周では物足りないので西にある峠を2つ登ってから一周することにする。6:30にデポ地点の三ケ日の役場に到着。澄んだ晴天で無風に近い好条件。浜名湖から登る日の出を撮る。まずは1個目の峠、宇利峠(154m)を目指す。高速道路沿いのみかん畑の中の県道を登ってほどなくゴール。眼下に浜名湖が朝日で光っている。一旦下って、新城方面の国道を登り返しトンネルが現れると、右側の旧道に折れて更に登る。ここは人気の無い道で昨今熊の出没もあるので注意しながら登っていくと旧道のトンネルが現れゴール、本坂(330m)。
峠から一気にダウンヒルして浜名湖周回道路に入る。

「昇る日の温みを背にうけ三ケ日の蜜柑畑を銀輪のぼる」

「風もなく自転車日和の浜名湖をめぐる人無き日の出るころ」

浜名湖朝日)

(宇利峠)

(本坂峠)

ハマイチとして一応コースが設定されているが、欧州で見た立派な自転車道は無くて車が横をかすめて通る車道の左端を注意深く南下していく。やがて湖南の新居関まで来て休憩。関所跡、今日は無料開放日らしいが特に見るもの無く10時なので早々に出発。弁天島のところで横に新幹線が通っているので懐かしい気分で写真を撮る。ここは車窓から見る思い出深いポイントでここを過ぎると大方は睡魔に襲われていた。間近で見る浜名湖の水は思ったより澄んでいた。舘山寺に向けて国道を左折。湖岸をずーっと走るわけでもなく時々内陸部でコース表示が無くなり、どうもハマイチは走り難い。舘山寺から湖北に出てアップダウン繰り返し三ケ日に12:40無事戻る。帰路、インター前で浜名湖名物の鰻を食べて帰るが、期待に反して岐阜の方が美味しいと感じた。
87.19km 4:34:22 19.1k/h 獲得872m
https://strava.app.link/rBlC5FkpqEb

司馬遼太郎氏「近江散歩」読了。欧州旅行にも持って行ったがあまり読めず、同時に「奈良散歩」も借りているが長々3か月ほどかかる。街道を行くシリーズでは近江は2度目らしく、今回は岐阜県境や湖東湖南がメインとなっていて割と馴染みがある場所なので興味を持って読めた。寝物語の里は近江と美濃の境で中山道今須の宿場近く、国友鉄砲の里も長浜近くでいつか自転車で訪れてみたい場所の仕入れになった。この付近でも知らない場所が多く、車でなく自転車の速度でしか見えないものも多々あるので。