欧州ウイーン行の4 帰国

10月9日、最終日。早朝6時に起きて私はもう一度、自転車でドナウ島とぶどう畑を走ってみたいと思い準備をするも奥さん曰く「一人で行って来て」とのこと。ハイリゲンシュタッ駅の前に例の自転車が数台並んでいるのでスマホで解錠しスタート。少し寒いもののここ数日は10月のウイーンにしては暖かい日和が続いているらしい。まず橋へのアプローチ道を見つけてドナウ運河とドウナウ川を渡りドナウ島に下りていく。細長い運搬船が上流から土砂を運んでいる。しばらくは下流に向かってひた走り橋を一本スルーし二本目の鉄道とトラムが走る大きな橋を渡って今度は対岸を上流に戻っていく。自転車の人とビュンビュンすれ違うい、カバンを背負っているので筋金入りの自転車ツーキニスト・・。

(ドナウ運河起点付近)

ドナウ運河の起点まで行って運河の橋を渡り今度はクロイツゲルの街の斜面をぶどう畑目指して登る。朝日の中の閑静な家並みが美しい。見覚えのある墓の前を過ぎて急斜面を登りぶどう畑の入口付近で止まり今日はここまで。遥にまぶしいウイーンの市内を見下ろし、改めて息子にとっての自転車コースの環境は良いところだと思う。朝日の中、犬をつれた散歩の人がぶどう畑を歩いていく。ホテルに戻るべく石畳の道を駅を目指して下っていく。

ride 12.39km  0:54:30  13.6km/h  獲得標高101m 

https://strava.app.link/O9DCG607WEb

(ぶどう畑)

「葡萄畑にかぶれたにわか青年のように坂を登り来」

「いつかまた、呟き下る石畳ぶどうの畑よ、また会う日まで」

シャワーを浴びた後、奥さんとスーパーに最後のお土産を買いに出る。在宅勤務の私には実家以外特に買って帰る宛てもないがチョコレートなどそれなりに買ってしまった。10時半、大学の講義に行く息子と一緒に近くの駅まで行く。別れ際、感謝とお礼を伝え、抱きしめて体に気を付けるように言う。念のため、息子はウイーン空港までの乗り換えの注意と「体に気を付けて」と手を振りながら角を曲がっていく。娘殿、息子殿の元気な姿と現地での暮らしぶりを見るこという今旅の大きな目標はなんとか達成できた。もう私たちが、アレコレしゃしゃり出ておせっかいをする幕も多くはなさそうで、それはそれでいいことだけど。ホテルでスーツケースをピックアップしメトロU4でランドシュトラッセ駅まで行って国鉄のミッテ駅に乗り換えウイーン空港まで行く。ハイリゲンシュタット駅の前方2両目のドア付近に乗ると出発間際に白髪の色鮮やかな緑の服の老婦人が乗ってこられ我々に「日本の方?どこから来たの?」と話しかけられたので「はいそうですが、、オスロにオランダに・・云々」と答えていくと思うより延々と会話が盛り上がりこの旅で一番多く会話として英語をしゃべったような気がした。見た目が品良い老婦人は日本に友人(オガサワラさんとか・・)がいるそうで、今日は旧市街シュテファンプラッツ付近のヘアサロンに行くところ等々。その挙句、とうとう一緒にランドシュトラッセ駅に降りて国鉄乗り換えホームまで案内してもらい、最後に電車から手を振ってお別れし、何とも言えない出来事だった。

「鮮やかな色を着こなす欧州の老婦の姿は若く見えたり」

国鉄

空港で出国審査後、窓の外をみると雨が降ったようで滑走路が濡れている。15時にエミレーツ航空でドバイに向けて離陸し約7時間、黒海上空を横切る。蒸し暑さのあるドバイ空港は深夜にもかかわらず人が多い。先日イスラエルにミサイルが着弾したとニュースで知ったがアラビア半島の反対側の出来事になる。AM2時に成田に向けて離陸。なんとA380という大型機で空いてると思ってた席は意外にも航空需要が多いのか、ほぼ満席だった。この10時間はどうしても眠れずに苦しむ。仕方なく暇つぶしのエンタメを探すとワールドミュージックリストに日本人唯一で坂本龍一があったのでYMOやソロの曲を聞きつつ時間をやり過ごす。雲に覆われた成田に17:30に到着。睡眠不足ヘロヘロの上に長い長い通路を歩いて機嫌が悪くなる。見ると、混雑していたた搭乗客の9割以上は外国人で日本人の姿は少なく、シニアの山歩き姿のツアー男女の一行が目立つくらいだった。ほとんどが長時間フライトを厭わないインバウンド旅行者らしく、恐らくお安いことが人気のポイントか?入国審査後の長蛇の列の税関を抜けてクロネコにスーツケースを預け身軽になって最もコスパの良さような東京駅直通バス19:10に乗ると、なんと乗客は中国人ばかりでこちらもコスパにはうるさそうな感じ。アクセスの悪さで私は成田が好きではない。雨の降る成田から東京駅を経由し新幹線の乗り継ぎスムーズに22時台に岐阜に着くと空気がひんやりして、出発前が蒸し暑かっただけに季節は大いに進んだらしい。さてさて6時間後、明日の早朝から即仕事になると時差ボケも含め胃がおかしくなるほど気が重い。