欧州オランダ行の1 Anne's house

シチズンMというホテルはビジネスホテルクラスなので狭いが、その割に値段が高い(円安のせいもある)。おまけに観光税というのが日本円にして1万円近く取られ泣ける。但しアムステルダム市内だと更にグンと上がるらしい。唯一良かったのは寝心地と水が飲用可だったこと。オスロも水道が飲用だったが毎日のことで助かる。スキポール駅で切符、アムステルダムトラベルチケット72時間を購入する。地下ホームに降りてアムステルダム行に乗りこみ約20分で中央駅に到着。9:45にアンネフランクの家、15時に国立美術館の予約チケットを購入済み。ゴッホ美術館は1か月前には予約しないとチケットが手に入らないほど人気があって残念ながら取れず。ご多分に漏れずアムステルダムも観光客が押し寄せている。駅を出る時にはゲートチェックがあってオランダは結構しっかりチェックするシステムになっている。駅から歩きだして振り向くと、駅舎の色と言い雰囲気と言い東京駅丸の内側によーく似ている。一応様式が違うらしいが東京よりもこちらの方が建物が大きいように思う。

地盤沈下で傾く)

アンネフランクの家まで歩き始めたが案外遠いのでトラムに乗ろうとすると案外難しい。路線番号、方向がわからず早くも奥さんと言い争う。ここからは自らの実力で街歩きをしなければならない不安がある。ガイドブックとグーグルマップでトラムの番号を確認して乗り込み近そうな停車場で下りる。美しい運河沿いを少し歩くとアンネフランクの家が現れ一安心9:45。家の前には大勢の観光客がいて予約なしではもっと大混雑になるに違いない。携帯のチケットをチェックして入館し日本語のオーディオセットを借りる。新館を見てから隠し扉をくぐると約2年間を過ごした本当の隠れ家に入っていく。悲しい現場に違いなく心は沈むが、フランク家は相応に裕福な市民だったこと、もともとアンネフランク氏は聡明で文才に恵まれた人だったことを知る。諸人口数少なく出口に向かう。

終戦を迎えられざる無念さを胸おく沈め記帳にサインす」

外に出るとパラパラ雨が降りだしている。11時、運河を見ながら歩き昼食は名物のコロッケをカフェルクセンブルクで食す。コロッケ、まあまあ美味しい。道々、カフェと並んでコーヒーショップと名のついた店もあるが、こちらは合法になっている大麻も売っているらしくちょっと危うい。降ったり止んだりする雨の中歩くと偶然にも鮮やかなシンゲルの花市に当たる。軒を並べる花屋はおびただしい数で生花、球根、挿し木、ドライフラワーを売っている。客は多いが実際に買っている人見ないので、こんなに花屋が必要なのか?と疑問に思うがチューリップバブルの国でもあるので歴史が違う。トラムがわからず国立美術館へ徒歩で到達。ここも相変わらず凄い人でうんざりするが15時からのチケットでも14時過ぎに入館できた。チケット類はスマホを使うことが大前提で携帯のバーコードチケットを読み取られ入館。レンブラントフェルメールで有名なこの美術館は規模がいかにも大きい。宗教画から始まって肖像画などを経て延々続くがそのうち疲れてくる。差し詰め最も人が混んでいる部屋に来ると、ああレンブラント「夜警」。ガス張りの中に大きな絵画が入っている。周囲は何重もの人垣で落ち着いて観る雰囲気でもなく皆携帯でパシパシ撮っている。その続きの部屋にフェルメールの「「牛乳を注ぐ女」があってこの一連は部屋は熱気で喉が渇いた。その他ゴッホの自画像も見て一休みのため館内のカフェで休憩する。ゴッホ美術館は見れなかったが美術館2連発は体力的にも厳しいものと思われる。

「人よりも大きく描かれし肖像画レンブラント「夜警」の威厳」

国立美術館正面)

美術館を後にしてトラムで中央駅に戻り、運河クルーズ船のLoversに乗る。満席に近く周囲は中華圏の方で親切だった。エディマーフィー似の船長が舵を取りながら調子よくマイクでギャグを飛ばして英語で案内するものの所々は周囲の笑いについて行けず情けない。幾多の橋をくぐり、運河の両側の家々は均整がとれて美しく貿易商や資本家街など超お金持ちの街らしくフレディーマーキュリーもこんなところにいたのか・・と思う。約1時間ぐるりと巡って中央駅に帰ってくる。

「メガネ橋、どちらを向いても美しき家々ばかりに方位失う」

(マレの跳ね橋)

18時、駅内のファーストクラスというレストランで夕食、しかし帰る段になって列車が止まっているらしく次々キャンセルされていることを知る。何の説明もなく、駅のホームは混雑し次々と表示板でキャンセルになって行き、1時間以上群集とともに2番線、14番線と行ったり来たりするがスキポールに向かう電車は最終的に出ない。「帰れん!えらいことになった」。ホトホト精神的にも疲れてきた時、度胸のある奥さんが偶然日本語で話す女性に声をかけて迂回路を聞くことができた。メトロでZuid駅まで行って、そこで接続する国鉄に乗り換えスキポールに戻る。22時帰着、ここまでのピンチは自身の経験でもそうそうない、何とか1日を上手く回れたと思ったら好事魔多し。

「迂回路を知りてピンチのトンネルのようやく出口、夜22時」