欧州ウイーン行の2 LANGE NACHT DER MUSEEN

今日も午前中は二人で行動。中日の今日は少し遠出でバッファウ渓谷へ行くことも考えたが昨晩のぶどう畑ツアーで朝はゆっくり起きることにする。スーパーで買ったパンとコヒーを質素な朝食をすませ駅の停留所からバス乗ってシュタチオンというスタジアムの近くまで行く。道々古びたあまり美しくないマンションが並ぶ団地の中、ハイリゲンシュタットとは違い下町的な感じがする。但し、こちらの道が良いのは街路樹が充実していて少し色づいた木々と緑の芝生が雰囲気を保っていて景観や環境保全に対するコストのかけかたに、ある意味豊かさを思う。30分ほどでバスの終着シュタチオンバス停に着く。その近くにレンタルサイクルが並んであるので今日はそれでドナウ川を散策することにする。よくある京都のpippaみたいな乗り捨て型のレンタルサイクルでこれもスマホアプリで鍵を解除してスタートする。しかしスタート直後から道路の詳しい地図がわからず、すぐそこにあるドナウ川の土手に上がる道がわからない。交通量の多い道をウロウロすると後ろから奥さんの厳しい声が飛んでくる。右側通行、自転車道を走り歩道は走ってはいけない、しかし車の交通量が多くちょっと危ない。焦りながら老眼鏡を出してグーグルマップを見てやっとそれらしいルートを見つけて堤防に上がると例の自転車道が快適に伸びていて安堵する。遊覧船の船着き場をすぎて橋を渡ってドウナウ島という中ノ島に渡る。ここまでくると大勢の自転車がスイスイ走っているので迷うことはない。幅も広く舗装も立派、途中に障害もない自転車道路として実に羨ましい。時折風が強く吹く。ドナウ川は運河を含め中ノ島の両側、3本の流れがあることを頭にないとちょっとわかりづらい印象があった。

ドナウ川逆白波のその向こうぶどうの畑を今日は見あげる」

ドナウ島からまた橋を渡ってプラーター公園に向かう。ここもまっすぐに伸びた道が終点が見えないくらい長く、両側は栃の木が林立して美しいがこの栃の実が隙間なく落ちていて自転車のタイヤにとっては返って危ない。映画「第三の男」でも有名な古い観覧車と空中をグルグル回るスターフライヤーという恐ろしそうな乗り物が見える。約1時間半ほどで自転車を公園近くで返却。何はともあれ10年前のアヌシー以来の欧州自転車走行を記録。

ride 10.62km 1:01:41 10.4k/h 獲得標高20m 

https://strava.app.link/G7BcNzZ7WEb

午後15時に息子と落ち会うべくオペラ座に行くとモーツアルトに扮したコンサートのチケット売りのオッサンが多数おり見た感じも少し怪しい。以降は息子に案内してもらい、まずはカフェのゲルストナーでお茶休憩。運よく待ち時間少なく席に着けた。ケーキとメランジェというコーヒーを味わう。ここは王室ご用達店でリッチな雰囲気にして旧宮殿を使ってカフェにしている店らしいが1Fにあるチョコレート屋の1粒のお値段も驚くほど高い。この店には日本人が何人か見かけた。

少しお土産などを見つつ旧市街を息子の案内で見て歩いたあと裏通りの静かなフレンチで少し早めの夕食を取る。今日は「LANGE NACHT DER MUSEEN」でちょっと行ってみるか・・ということになる。LANGE NACHT DER MUSEEN。年1日、18時以降深夜1時まで15€のチケットで周囲一帯の美術館や博物館が入館し放題になる日らしい。懐具合に難儀する我々にとって超お得なチャンスには違いない。しかしそんな人ばかりなのか?マリアテレジア像の前の美術館には早くも長蛇の行列ができていてさすがにこれは無理、一応チケットは購入し裏側にあるレオポルト美術館は比較的列が少ないので30分程度並んで入る。ここはエゴン・シーレで有名、私は知らなかったが・・。

(エゴンシーレ)

続いて美術史博物館に入る。とにかく人が多くて館内の熱気で暑く乾燥して喉が渇くがボトルの水も枯渇してしまう。21時、特別とは言えこんなに人が多いのかと驚く。息子の案内で水を補給して最後は国立図書館へ行く。確かに古い本が蔵書されているが、古い本棚そのものより宮殿のような古い像や豪華な壁画で満たされて見ごたえがある。まだ元気そうな息子に「まだまだ他にもいっぱいあるやけどなぁ・・こんなもんでいいか?」と聞かれ、さすがに疲れもあって、こくりと首を縦に振る。夜22時、人出の絶えないオペラ座近くからメトロで帰る。量と言い、質と言い、規模と言いあまりにも膨大でこのおおよそ限られた時間で回るにはとても消化不良。そして年齢のせいか疲れ果てているのが哀れ情けない。LANGE NACHT DER MUSEENには大きなボトルの水が必須である。

「なんとなく屈折したる自画像のエゴンシーレの陰りに惹かれ」

「ウイーンの夜は更けども人みちて博物館の熱気に渇く」

クリムト氏)

(美術史博物館エントランス)

国立図書館