近場の峠(彦坂峠、豈坂峠)、洛北周山街道7峠巡り、眼科

近くの小さい峠が手つかずで残っているので行ってみる。先の「はじかみ林道」の如くいつでも行ける範囲であることがそれほど気合も入らず先延ばしになってしまっていた。10月22日、5時半起床に6時スタートで彦坂峠(98m)、豈坂峠(140m)。距離的に物足りないはじかみ林道を加えて周回するコース。タイツに長袖とベストを着用するが出だしは少々寒い。岐阜市内の長良、高富の街を抜けてから西に左折すると彦坂峠の緩い登りが始まる。朝も早いが通勤かそれとなく交通量も多めの道路は岐阜畜産センターの横を抜けるとそれほどの斜度もなく峠の頂上に達するとトンネルになって味気ない。そのまま西にダウンヒルして県道91号を北上。この伊自良湖に通じる田舎道から更に人里離れた県道174号に右折すると豈坂峠の登りに入る。ここは180度カーブのある登坂道で少し登れば看板と地蔵さんがある豈坂頂上に達する。休憩していると朝まだ早い時間の田舎の峠を車が何台か通っていく。隔週土曜の出勤の会社もまだまだあるらい。ここを東に下って例のはじかみ林道を登り長良川に出て帰宅する。はじかみ林道の頂上(284m)にサルトリイバラの葉が茂っているのを見つける。別名「山帰来」というこの葉を使って幼い頃に姫路の実家では時々柏餅を作っていたことを思い出す。父に連れられてこの葉を採りに里山に入り不用意に棘のあるツルに触れて傷だらけになった、ほんの数回しかなかった経験が今も懐かしい。久々に自分で作ってみたいと思いが湧き始める。
70.08km 3:14:44 21.6k/h 52.6kmax 獲得581m
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(豈坂峠)

11月、仕事は一段落したつもりが顧客の追加要望などで半導体のパッケージ仕様をまた変更となって、いかんせん手離れが悪くやりとりが続く。それでも飛び石の休みの間にある4日を有休にして京都洛北の峠ツアーに出かける。昨年は左京区の峠で今回は北区の峠で周山街道を中心に何個かの峠を巡る。前日、ロードサイクルを車に積んでおき朝4時半に出発し岩倉の東公園に7時着。タイツに長袖、ベストでトレイルランリュックにウインドブレーカーを入れて7時半、西方へスタートする。まずは京産大の前の交通量が多い道路の小さな丘の上りで原峠(130m)というらしいが1個目をゲット。次に賀茂川に出て北上する。山峡に完全に入って川幅は徐々に狭くなっていく。この道は賀茂川源流を辿る道らしく渓流の紅葉はすでに始まっている。

「冷えしづむ流れはかそか賀茂川の源流辿れば紅葉華やぐ」

持越峠(400m)方面分岐で川を渡ると急登となる。1台の営林の車に出会う以外に人気は無い。フロントインナーでリア25Tで辛抱してペダルを回し続けるとやがて尾根に出て日光が届く峠の頂上に到達。視界ゼロで風情は無い。ここは早々に下るが山影の空気は思うより寒くリュックからウインドブレーカーを出す。真弓方面に一気に下って周山街道のT字路に当たる。ここは桂川水系になって川が流れているが崖の木々は赤黄に色づきハットするような美しさ。周山街道は紅葉の名所、高雄から丹波に抜ける幹線道のようで広くない道をトラック、バスなど大型が頻繁に通るので危険を感じる。特に次に出てきた笠峠(400m)は旧道がバリケードで塞がれて自転車としては危険を承知でトンネルを抜ける必要があった。命かながら笠峠をクリアし少しの下りの後の登りは旧道が残る栗尾峠(410m)ですぐに頂上到着。ここは見晴らしが良くダイナミックな景観で久々にグッドな気分で一休み。峠たるものこうでなくては・・。向こうの山の斜面が見え周山の街は遠く西に見下ろせて、ここには展望所もある。ワインディングロードを周山の街に下ってウッディ京北という道の駅にてしばし休憩30分。朝から無食だったので玉子サンドを購入。平日でもバイクと車がひっきりなしに出入りするが自転車はいない。ここから国道477号を南に下って地図には無い登りが続き峠(名も無い峠350m?)を一つ越え次に弓槻峠(364m)に入る。ここも旧道はあったらしいが注意散漫で入口を通り過ぎそのままトンネル通過し、再度162号周山街道に戻って先の笠トンネルを抜けて最後の京見峠(410m)を目指す。この辺りでは疲労も濃くあってリア25Tでマイペース走行していると不意に一人のローディに抜かれるが今日自転車に会ったのは初めて。京見峠は昔の街道が残っていて頂上に旧茶店があった。今は営業休止らしいがその数件連なる街並みが街道の趣がある。疲れ果てて休憩している所にサイクル部隊が次々登って来た。おお、ここはメジャー峠らしい。ここを下ると鷹峯地区という本阿弥光悦がいたという文化由緒が多いところらしいが、激坂を下って疲れ果てた身には早く岩倉に戻りたい一心でペダルを回す。賀茂川を再び渡り京産大の原峠を登るといよいよ無事帰って来た安堵感が出てくる。好事魔多し、多くの京産大の学生さんの自転車の後ろについて走っていると急に左折されて目の前に現れた電柱に左腕とハンドルが当たり転倒する。交通量も多い道で危うかった。打った痛みをこらえ立ち上がると転倒時にペダルで右足の脛を数センチえぐったようで大いに出血していた。自転車も体もボロボロで岩倉に帰還。車に自転車を積み込んでいると見知らぬ車のカギが落ちていたので公園の事務所に届ける。現場を確認に来た事務の人曰はく「あんた岐阜からきたったんや?・・えぇ!ここから周山まで自転車で?ホンマぁ~そらぁそらぁえらいこっちゃなぁー、どうもごくろうさんどうした」と軽く少しは嘲笑のニュアンスが含まれている言葉としても誉め言葉に聞こえて悪い気はしない。13:40に岩倉公園を出て、混みあう京都の岡崎付近を通って無事に帰宅。疲れてぼーっとシャワーを浴びた後に思考力欠如でボロボロの脛の傷口に塗り薬を塗ったらムヒであることに気づき大いにマズい。因幡の白兎か・・本日は魔多し。それでも477号の名もない峠を含め7峠を一気にゲット、今年最大の収穫のうえに無事帰宅は満足すべき結果か。
70.08k 4:15:42 16.4k/h 48.8kmx 獲得1046m
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賀茂川源流に近い)

(持越峠)

(栗尾峠)

(477号名もない峠の紅葉)

(弓槻峠のトンネル)

(京見峠茶屋)

「一陣の風爽やかな峠にて今日は七つめ京見の峠」

連休の前日に奈良の西大寺にある眼科総合病院へ年一回の術後の経過診察に行った。徐々に左目の視力に不自由が出始めたため検査が追加された後、前に言われていた追加の手術というのを早晩やる必要があることを聞く。腰痛や肩痛は減量と体幹のトレーニングという自助努力で改善したが、体の個々の部品は人の寿命ほど長持ちしないということか・・感覚が少し鈍くなった左人差し指先を見つめる。大和西大寺駅界隈は再開発中でスッキリした街になりつつあった。駅近くの近鉄百貨店で昼食のあとに歩いていると夏の銃撃事件の場所のガードレールには「献花はおもちかえり・・云々」と札があるが、もうそれに気を払う人もいないようで、時は流れている。帰り駅のホーム、所謂「撮り鉄」の人が何人か電車を撮っている。普段よく走っている電車の撮影にどんな価値があるのか??。実父が鉄道勤めだったので鉄ちゃん度に関しては自身天然ものと自認している。車両に書いてあるキハ、モハ、ロハ、クモハ・・などの意味は幼い頃に教えてもらった。「鉄オタ」、昔も今も少々恥ずかしいことに思っていたが世間的に趣味と認知されるのは好ましいことか・・?俗に言う「撮り鉄」ではなく「乗り鉄」派。普段見れない海外の鉄道などは撮ったりするが普段の走っている電車を撮ろうとは思わず、レールの音を聞きながら車窓からの風景を眺めるのがまあまあ好ましい。今どきのロングレールではない昔の継ぎ接ぎのレールの音を聞くと心地よい。けいはんな7年の生活で、近鉄吉野線や南海高野線に乗れたのはかなり貴重な収穫だったと思っている。在宅勤務の籠の鳥生活になって電車も乗らない生活になっているだけに久々に乗る近鉄京都線は懐かしかった。珍しく雨で小寒い天気の割に観光客と思われる姿の人が1年前に比べると多くなったと思う。帰路、雨の京都線をぼんやり眺めながら目の手術のことなど考える。

「何げない話しに笑う山ガール京都線にも日常もどる」