九頭師坂周回クライム(57km)、長良川花火、林真理子氏「8050」読了

世間は山の日(8/11)から盆休み週間らしい。盆も勤務はカレンダー通り。早朝のTVニュースを見ても、伝えるアナウンサーも入れ替わりで休暇を取っているらしく、どこかニュースの夏枯れ的?雰囲気は流す側の事情にあるのかも知れない。地域の話題などのんびり長々見ても仕方ないのでTV東京系経済ニュースを見る。思うに、割と重いニュースがスルーされる事も多いようで、むしろメディアは何を伝えていないかを注目すべきかと思う。
兎に角37℃前後の日が続いている。今年は岐阜よりも東北、北陸の気温が高いのも驚きで、南洋上の台風からくる風が湿度と高温を持って来て不快そのもの。夕方の散歩は下がらぬ気温の中、蒸し焼き窯の中の芋の気分。暮れる前の空に立ち上がる雷雲が雨を降らさないのが恨めしい。ダイニングのカシオの温湿度計は壊れたかのように湿度が振り切れHiを続けて、覚悟はしていたが秋の気配はまだ遠くひと月くらい先か?。

日々TSMC微細化回路と格闘。FFETという立体構造のデバイスはプレーナー型に慣れ育った自身にはイメージしにくく苦手意識がある。そのさなか、人材会社からのコンタクトメールが最近増えてきた。これも半導体業界の特需的か?繰り返しの熱心さから、「こんな老骨にもまだ関心を持ってもらえるとは・・」と一度話を聞いてみることにする。人にもよりけりとは思うが、声若そうな担当氏は表面的な最初の5分の話の後の本題、業界の仕事にはあまり詳しく無いようで徐々に冷めていく。デザイン側、プロセス側の細かい業務分担とスキルの種類、特にPDKの出来やそれを使ったデザインに関するフローについて説明する側になってしまい・・?これはなかなか大変かも・・という印象。担当殿の言う早期立ち上げ!目標にしては竹槍戦術を彷彿させるようで、人材の補充は容易に思えぬ、いっそどこか専門会社を買いまくる方が手っ取り早いように思った。話は補助金絡みの新先端半導体製造会社の話とわかったが、業界について分かりやすい湯之上氏の記事にあるように製品の買い手にでも出資してもらわないと操業立ち上げ早々に経営も見通しが悪いのではと思う。1年前とは真逆に今年に入って業界は急激な需要悪化で製造ラインの赤字と浮き沈みは特に大きいのでなおさら。

「蛇口から頼みもしないお湯出でて 温泉ならぬ猛暑の水道」

「還暦のラインを前にここからは心と体の耐久試験ぞ」

「いろいろな道あり角ありこの陽なか街路樹緑陰ひたむき歩く」

8月に入って平井坂、はじかみ林道などに自転車で出かけてきたが周辺の3時間コースの峠のネタも少なくなった。3連休の初日昨日(11日)は久しぶりに九頭師坂、ラステン洞戸、佐野坂の周回に出かける。朝5時に目が覚め、疲れで首や腰が痛く迷った挙句、福岡伸一氏「人生は一回性である」という言葉を思い出して出発する。猛暑日の始まりの長良川を渡り三田洞、椎倉坂の緩やかな峠を越えて右折、九頭師坂方面に向かう。日差しが厳しく背に受けながら登坂を開始。水田の中の道、犬の散歩している人の横を抜け杉林に入ってから斜度がグッと増す。以前はこんなに厳しかったか?記憶も薄いが懸命にペダルを回す。やがて尾根筋に出て少し休める斜度のあとしばらく登って見覚えのあるトンネルが見えゴール。1.9km平均勾配9.8%とそれなりの坂だったんだと感心するが、しかし暑い。トンネルを洞戸側に抜けてラステン洞戸の坂を上ったあと佐野坂峠を下って帰路、岐阜大花火の準備に忙しい長良橋を通って無事帰着。今回もそうだったが、この時期、峠道の登りで顔の周りにまとわりつく羽虫に悩まされる。調べると「メマトイ」という虫らしいがコイツが頭の周囲を飛び回り始めると気が散って、しかもアブに対する恐怖感もあってどうもこの時期モチベーションが下がってしまう。
58.42km 3:00:09 19.4k/h max51.5k 獲得630m

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同日、長良川大花火大会が4年ぶりに開催されたので「花火」と聞くと血が騒ぐ奥さんを前に自転車でトコトコ夕暮れ19時から出かける。今回、予想外に打ち上げ場所近くの川原町まで行けたのでほぼ頭上に上がる花火を楽しめた。花火に詳しい奥さんから「これは新種だ、違いない」と説明をうけるが、わからない私は「ああ、ええもんやな~」と言いつつ次々上がる花火を約1時間見る。心なし人が少なく感じたのは祝日で操業した会社も多かったせいらしい。

司馬遼太郎の本を苦戦しながら読んでる最中に、また奥さんが読んだらと、林真理子氏「8050」が置かれていったので速攻で本日読了。氏の本を読んだのは初めてだったが登場人物の会話でストーリーが成り立っているので脚本のようで早く読めた。ちょっと前から言葉として社会的に話題になっている「8050問題」が取り上げているが、この8050をストレートに取り上げてはおらず、どちらかと言えばその前の段階にあるイジメ問題不登校、ひきこもりがメインテーマになっている。エンディング近くの展開が、自分としては何故?と思う違和感を持った部分もあるが最終的には一応決着がついて爽かな読後感はある。イジメや取り巻く人の無関心、弱者に対する打算的な無視、家族内の葛藤や孤立など当事者の状況が描かれており丁度、話題の利害優先から長年社会的にスルーされてきた性加害問題にしても社会的病根には似たような構造があると思えた。強いバックを持たない弱者は声を上げにくい。いずれにしても、女性の観点からの人の見方、値踏み、見栄や嫉妬などの人物描写にリアリティもあって女性の方からの支持は大きい作家なのかなあ・・という印象。