天王山(367m)周回と山崎蒸溜所チラ見、「司馬遼太郎の言葉」読了

以前から京都大阪間の電車からわずかに見える山崎蒸留所という奥深そうな所にある茶色の建物に関心がり見に行きたいと思っていました。京都盆地の西方で遠くはない。前日地図を眺めながら単なる平坦路ではつまらないので後ろの山岳路を加えるべしとついでに天王山の山岳周回、何度も高速道路のトンネルを通っていますが下の道は初めてどころか周辺の土地勘ゼロ。別に麒麟が来るに触発されたわけでもなく、いわゆる明智が羽柴に敗れて有名な古戦場です。朝、少々寒いですが、タイツに長袖、ウインドブレーカーでという服装でいつもよりテンション高めでスタート、8:30。慣れた木津川CRを北進、男山の御幸橋桂川CRに乗換えしばらくして長岡京方面に左折。目の前に山が迫り明らかに竹藪多し。ここで少しウロウロして道を探し府道79号を見つけて登坂開始。柳谷道と言われてるようですが最初は2車線、そこそこの斜度が続きほどなく竹藪林に入り狭くなり車1台分くらい。両側、ほどよく手入れされた竹藪は見た目美しく風は寒いも心地も良い。恐らくは高級筍の産地なんでしょう。実家にも竹藪があり春の筍シーズンは食用以外にもあちこち頭を出してグングン育ってくる。竹族は並はずれた繁殖力で地下のネットワークで繋がってあちこちに筍の頭を出しては節操もなく野心的に領地拡大し挙句は隣にある杉林を浸食していく。この邪魔者を父親が無慈悲に鎌で刈り倒して行くのを見て、子供の頃は遊び半分「アチョー、キーックッ」出てきた筍の頭と言わず背中、肩あたりを蹴り飛ばしては退治してました。その数日後、タケノコは受けたダメージ以上に増殖して自然には勝てない、この作戦に徒労感を覚えたのが懐かしい。もっとも今ではイノシシがタケノコを食べて問題になっているようですが・・。一方ここは気品のある高級な筍、上流竹林らしく美しく観光化された雰囲気です。

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(竹林)

更にペダルを回しやがて観音寺を通りゴルフ場に出ると頂上のようです。はっきりとした峠の頂上のシンボルは無し。こんなに立派で明確な峠にして名前が無いとは悲しい。数人のロードの方にすれ違うも高槻方面から登ってくる人ばかり。下り、風を受けて体が冷えてます。高速の工事現場をくぐり高槻のノッポなビルが見え始め西国街道という旧街道に入り東進します。どこも旧街道は狭く車が少ないので自転車には好都合。線路沿いを島本、山崎へと宿場を継いで入行く。天王山が淀川にせり出し平地が狭くなっているところが名前の通り山崎。サントリー蒸留所はその山懐に厳かにある。少し前、息子が手土産に「山崎」ウイスキーを探した時に岐阜では売っている店が見つけられなかった。昨今、需給バランスが崩れているようですがさすがに生産工場にはあるハズと受付で聞いてみると、ニコニコ優しく「出荷と流通に関しましてはここのショップも全国小売店様と同条件でございましてぇ・・」との返答。仕方なく軽ーく外から工場見学。風向きか、時おりウイスキーの香りがむっとする。この工場見学は人気のようでバスで来た団体客、恐らくアジアの人が団体でぞろぞろ歩いてます。ショップを覗いてみると、100cc弱くらいの山崎ミニボトルにグラスとおつまみセットを売ってます。自身は下戸ですが、4000円弱、どうしてもの時はこれで我慢するしかないらしい。
工場所入り口には梅の花も咲いて日差しも明るく、前を走るJRは猛スピードで曲線を描いて行く。まま、念願の山崎蒸留所に来れただけで満足。

「白梅よ咲けと誘いし春の陽の陰げりの樽に息づく山崎」

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(蒸留所)
そこから急ぎ長岡京を経て同じ道を帰路、13:20着。TVには全く興味無しですが竹藪を走っている時に明智光秀はこのあたりで付近の竹槍に毒が塗られて落命した、不吉なる場所?と考えましたが、調べると違っていて襲われたのは山科あたりだったそうで改め無知を自覚。
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夕方、若草山の山焼きということを知り一度は見たいと思い西大寺まで行って見学。花火が上がって山が燃えてます。これぞ伝統行事。暗い池のほとりにはカメラの3脚が雑木林のように立ってます。年配らしいですが撮り方について語る皆さんは熱い。

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(山焼き)

ムック本「司馬遼太郎の言葉」読了
没後20年号ということだそうです。新聞記者から作家になる変遷などが書かれています。敗戦で「不意にこの国に生きる自分たちが悲しくなった。なぜこんな浅はかな戦争をしてしまったか。果たしてあの織田信長ならそういうことをしただろうか」という下りなど示唆多々。磯田道史氏らの寄稿、かつての講演内容、対談などで編集されてます。「夏草の賦」長宗我部のコーナは面白く、次にあった陳舜臣氏との対談も面白そうだと進むと、テーマが宗教、空海だったこともあってかレベルが高すぎ、チンプンカンプンにて玉砕。お口直し、ブックオフにて一カ月間で520円までの本が只になるクーポン付カレンダーを購入しさっそく文庫本「オランダ紀行」をゲットしました。

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