三浦半島、横浜巡り行

緊急宣言が解除された。あまり遠出もできず、前から娘の様子を見に行きたいと奥さんが言ってたので再発せぬうちに早々に出掛けることにした。物事万事、様子を見てじっくり落ち着いてからやろうという慎重さより期を逸せずタイミング良くやっておくという考え方で立案。金曜日の10月15日は奥さんも私も有休を取って出発し2泊は娘ともども横浜山下公園前にあるホテルで過ごし私は帰岐、奥さんは娘の部屋(鶴見)でもう2泊して帰って来る予定にする。そんな話をしている数日前に、娘が2月に新築される世田谷の寮に引っ越すことが決まったので横浜近辺をゆるり散策する機会もそうあるとは思えない。
当日、早朝に出発し名古屋、朝6時台の新幹線で東上。横浜駅で大きな荷物を置いて軽装になって北鎌倉駅に向かい鎌倉の山越えと江ノ電沿線のいわゆるゴールデンルートを観光する。場所柄、本音を言えばもう少し若い年代で来るべき所かもしれないが50代でもそれなりに楽しめるものに事欠かない。北鎌倉駅、大勢の人が降りて賑わいあるが制服姿が多い。駅のすぐ横の円覚寺北条時宗の廟所とあるが、その脇に何匹かリスが木々の中で動いては鳴いているのが気にかかる。ケケケと聞こえるリスの鳴き声をマジマジ聞いたのは初めて。ここからは、大仏ハイキングコースを歩いて行くがこれが予想外の悪路、木の根やすり減った岩が普通の靴では何とも厄介。源氏山公園近くから長谷の谷(やと)に下る際に奥さんは足が滑べって腰を強打してしまい痛みで動けずしばらくじっとする。いやはや、何人かは歩いてはいるがメジャーな観光コースとは言えないような山道に思う。その後はゆっくり大仏まで到達。晴天で予想外に暑い。修学旅行、遠足の生徒が多く賑わいは結構なものに見える。宣言解除で一斉に学校行事が始まったようで卒業写真に必要なのか先生は生徒の間を撮りまくっている。

「宣言の解けた合図で堰を切る北鎌倉は遠足の波」

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腰の打撲の痛みが少しは引いていったということで長谷寺から御霊神社を巡る。私は3年前に来た場所でもある。前に比べ歩幅も歩速も小さく歩く奥さんの姿を気の毒に思いつつ狭い路地をゆっくりついていく。無理はいけないのでここから移動は電車中心で江ノ電フリー切符を使い七里ヶ浜まで行って海岸沿いのカフェで休憩。おお、サーファーが何人か波間に浮いている。ここではサーフィンは身近な馴染のスポーツらしいが相当難しいのか長い時間波を待ってチャンス到来乗るのは一瞬だけで即、砕ける波にのみこまれていく。テーブル前にブロンドの女性が海を見ながらフランス語で携帯で話していてこの光景なんぞいかにも湘南ぽいところか。鎌倉高校前と稲村ケ崎を少し歩いて鎌倉駅へ戻る。夕暮れの人の多い若宮大路に出て「三浦半島記」で読んだ段葛(だんかずら)を実際に見る。確かに異様な道でこれが800年前の土木工事で出来たもの、というのに感心しつつ帰路の鎌倉駅に向かう。夜、ホテルに着いてから中華街にて湿布薬とパイナップルケーキを購入。21時を回って勤務を終えた娘がホテルに合流、元気そうでなにより。おおよそ週の半分を在宅と出勤を繰り返しているらしい。

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七里ヶ浜休憩)

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(鎌倉高校前近く)

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若宮大路、段葛)

翌日は曇り。奥さんの腰の痛みは和らいだということで朝はゆっくりスタートし娘の案内にてバスに乗り三溪園を巡る。原三溪は岐阜の柳津の人だったらしいが郊外の田舎にこんな人がいたとは驚き。京都の寺や家屋を移設した純日本式の庭園で印象としては後楽園にも似ているように思った。午後、元町に戻り、台湾スイーツの豆花を食す、やはり美味しくもっとメジャーになっても良いように思う。人出は多い元町の通りから山手に上って洋館を見ながら港の見える丘公園に行く。娘が言う通りにバラが見ごろを迎えて素晴らしい。しかも無料で多くの人がバラ園を散策して写真を撮っている。中には本格的なカメラマンらしい人が犬と飼い主にポーズさせて撮っている。名前になっている港の光景は工業地帯にしか見えず、その中に何やらガンダムらしいものを見る。最近出来たちょっとしたテーマパークらしいが娘曰はく、「外から見るだけ十分や」だそうでアムロになるまでもないらしい。少し戻ったエノキテイという洋館でコーヒー休憩しホテルに引き揚げ夜は中華街の重慶飯店、まずまずの一日也。

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(豆花)

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(バラ園)

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三日目、日曜は朝から雨。余裕を持ってゆっくりチェックアウトし娘の部屋のある鶴見へ向かう。ふーむ、車窓から新しく出来たロープウエーのゴンドラがちらりと見えるが、確かに珍しいがどの程度良いものかはわからず?昼食を部屋で済ませ、電車を乗り継ぎ青葉台の私の親類のお宅にお邪魔する。実に久しぶりにお会いし、お元気そうで私の娘と同世代の娘さんふくめ、かなり大きな犬に驚きつつ約2時間のお茶は色々な話題で過ごすと意外にあっと言う間に過ぎた。4時過ぎに失礼し十日町駅まで送っていただく。新横浜駅で下りて上層階で少し早めの夕良。イタリアンのアマルフィと言う名は確か七里ヶ浜のカフェと同じ名前でチェーン店なのか?わりと混んでいた。ここで奥さんは娘の部屋でもう二泊するので私は独り帰岐。
鎌倉の段葛など読んだ「三浦半島記」の予習効果は十分にあった。隅々までとはいかないまでも鎌倉から江ノ電、横浜のメインストリームはい行けたような・・。やはり鎌倉は奈良、京都のことを思えば範囲は狭く個々の社寺も規模は小さいと思うが、長谷観音や銭新井弁天などちょっと違った味がある。もっとも大きな違いは、森の中で陰に佇む寺社にしても、ここは南に向いた海岸にほど近いという意識もあって光や風に何気ない明るさを感じることのように思う。しかし、あの大仏ハイキングコースの山道の悪さはいただけない。歩幅ふくめて岐阜の金華山でももう少し道が整備されているように思う。

「階(きざはし)を登り返れば汐の香の空気は社を吹きぬけてゆく」