メジロ観察、金華山DWライド(21.1km)、小池光氏歌集「思川の岸辺」読了

昨年末からchipの不具合の対応により多忙が続く。解析作業も思わぬ長期戦になって体力的、気力的にも参り始める。微細化LSIのテストチップ試作費用は相当高額なため不具合の原因の辻褄が合わなければ次に進めず日夜検証を回し、また悩みながらmailに回答しつつはや三ヶ月。休みも削られ腰、背中、首の疲労が溜まり寒さもあって体の筋肉が岩盤のようにコチコチに痛くなるところに頼る薬は葛根湯のみ、だましだまし耐える。疲労時の葛根湯は長年の経験から得たコツで、自分には案外効果があると思っていても気分的な方の憂いや精神の重さは解消できぬ。平日唯一の運動でもある朝の散歩で天満宮の白梅に来るメジロを見る。ああぁ、もう春や、この冬の記憶はほぼないような・・桃の節句人形と干支を交代する。

2月12日(日)、多忙な中、父の一周忌で姫路まで往復する。一時間近い読経の後で兄はお墓のことなど僧と話す。最近は少子化で墓終いなどが多いらしく25回忌以上で弔い上げ?をされるらしく、現存する墓の返却には墓石粉砕作業でさえそれなりに費用が発生するとか、私にはこの辺りの知識に疎いが大変そうに思われた。穏やかに晴れた日でいつものように三宮で買い物をし、疲れのこともあり体力と時間節約のため新幹線で帰る。

2月23日の祝日から飛び石連休になるので奥さんは娘に会いに連泊で東京に出かける。丁度、近くの梅の名所で祭りが始まったらしい。この日、私は年一回のマンション住民総会に出席。例年通り出席率は60%以上はあって他は知らないが質問や議論も活発でなぜか健全な住民意識が維持されているようだ。事前にEV用の充電設備の設置について検討をお願いしておいたが帯に短し襷に長しという内容だったものの、今は補助金もあってお安く設置ができる環境にあるとのこと。EV化は中国や欧米が変わればこの国の車産業も変わらざるを得ないので思うより以上のスピードで進むかもしれない。自身はハイブリッド車で在宅勤務に週末ドライバーのみで走行距離も伸びず、高いハズのガソリンも月に一回の給油はそう問題にも思わない。一方で仕事部屋で使うファンヒーターの灯油の値段の高さには何故かインフレを感じる。見回せば色々値上がりしているのはわかる。日銀の意識調査で「同じものでも値段の安い方のスーパーにわざわざ行くか?」という問いが以前あったが同じものでも生鮮食品は少し高いスーパー、汎用品はディスカウントスーパーと品によって買うところを分けるスタイルは元からで、この意識調査的にはずーっと前からインフレ対応のシフトになっていた。インフレと同時に例年以上の賃上げがニュースになっている。大手企業はさておき最も問題なのは最低賃金のほうで国の生産性向上や付加価値向上の解決策は欧州のスーパーで息子が見たようにアトキンソン氏の意見にもある最低賃金を11ドルや11ユーロ以上に一気に上げることではないか?・・また海外観光客のみ購入できる新幹線乗り放題みたいな切符など円ベースの安売りから観光国スイスの鉄道パスようにドル連動でしっかり儲けがでるようにすれば・・?と思う。
本日、金華山DWにライド。精神的鬱屈に運動不足で久しぶりのヒルクライムになると金華山の標高でも苦しいが煮詰まった頭の中が一瞬リセットされるようで帰宅後のサイダーを飲みつつ妙にこの時だけは鬱々とした心が少し晴れる。これも長年のコツ。帰路、梅林公園に立ち寄ると5分咲き程度。
21.08km 1:17:20 16.4k/h 獲得329m
https://strava.app.link/zORujQW44xb

小池光氏歌集「思川の岸辺」読了。この前、集英社のKotobaという雑誌で永田和宏氏との対談を読んで借りる気になったが永田氏と同じく配偶者が癌で亡くなられてその時期の前後の作品が収められている。題名の思川は栃木県の東北本線沿いを流れるごく普通の川らしい。いずれにせよ人は独りで死んでいく、残される側の想いやその後の変遷が文語調ではあっても分かりやすく読めた。
「室内をかえりみすれば常滑の急須がひとつおもいでのごと」
「わが妻のどこにもおらぬこれの世をただよふごとく自転車を漕ぐ」
「掃除機のコードひっぱり出す途中にてむなしくなりぬ ああ生きて何せむ」
「をととしの夏にもここにわれ来たり病室のきみより逃れ逃れて」
「秋ぞらに泛(うか)める雲や亡くなりてはや三年のときはながれつ」